偏好文庫-「好き」を解釈し続けるメディア-

いろんな“好き”を愛するための(ひとり)メディア、偏好文庫です

HAUSNAILS『Fantasy』

素性を明かさないミステリアスさを売りにしたアーティストが人気を集める反面、“等身大”という言葉は歳若いミュージシャンを売り込む際、現在に至るまで都合よく使われ続けているフレーズだ。メンバー全員が 1999 年生まれの4人組ミクスチャーロックバンドHA…

Hudie『アジ』

今最も音楽フリークが注目しているシンガーは誰かと言われたら、迷わず Hudie(フーディエ)だと答えるだろう。人気音楽番組で音楽プロデューサーの古河内音叉朗が絶賛したデビュー曲『お前の話なんて聞いてない。』の MVが1ヶ月で1億回再生を突破した、正体…

【未公開】2023年注目の新生インディーズバンドにインタビューをしました【期待の新星】

お久しぶりです、管理人イガラシです。 このたび、音楽ライターとしてとあるインディーズバンドにインタビューをさせて頂く機会がありました。 ただ、このインタビューが商業誌には掲載できないことになってしまったので、偏好文庫で私家本として通販で頒布…

【店主ご挨拶】2022年ライブ、イベント、舞台鑑賞こぼれ話まとめ

はじめに お世話になっております。偏好文庫店主のイガラシです。気がつけば年末、思い返すと今年はあまり記事を更新できませんでした。更新頻度に関しては方向性を改めたために定期連載コーナーの更新がなくなったというのもあるかとは思いますが、店主が水…

Dannie May『五行』

2019年頃活動開始した3ピースインディーズバンド、Dannie May。メンバーはギターボーカル、DJ兼映像監督、キーボードボーカル兼トラックメイカー、しかも3人ともボーカルを執るという異色のバンドである彼らにとって初のコンセプトEPは、中国思想の五行説が…

tomomi『つれないほど青くて あざといくらいに赤い』1,2巻(集英社、2021~)

ピチピチの学生時代ははるか遠くなり、最近はティーンが主人公の恋愛漫画なんて、なかなか素直に楽しめなくなってしまった。たかが高校生が恋愛に人生を懸けるなんて……と、ついヒネクレてしまう。 アプリ『となりのヤングジャンプ』で連載中の本作。病的なま…

有村竜太朗「寫眞館GELATINによる幽園園寫とその幽園舞台 寫眞展『幽園地 / yûenti』」(22年7月28日〜8月1日、早稲田スコットホールギャラリー)

ヴィジュアル系/シューゲイザーバンドPlastic Treeのボーカル有村竜太朗を10年以上撮り続けている写真家・寫眞館ゼラチンが、東北の廃遊園地で彼を映した連作写真を展示する写真展。会場は敬虔なキリスト教徒であったとある女性が、伴侶を弔うために建てた…

感想文:『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』:約18年の茶の間オタ人生があっさり報われてしまった

■前口上:嵐と僕(茶の間オタク歴18年目) 嵐を18年ぐらい追いかけ続けています。画面越しに。言わずと知れた国民的アイドルグループ、嵐。今更説明するまでもないぐらい有名だし、多分ここに流れ着いてくれたようなあなたはきっと既に彼らのことを好きか、…

【店主的2021年名盤紹介・その5】GOOD ON THE REEL『花歌標本』

2021年ベスト音源、最後です。昨年ライブシーンの復興と共に良盤がめちゃめちゃリリースされたしインディーズバンドも意外と沢山デビューしてたりするから散々悩んだのだけれど、せっかくなので今一番誰かに聴いてほしいアルバムを選ぶことにしました。僕自…

【店主的2021年名盤紹介・その4】Tempalay『ゴーストアルバム』

3月にしてやっと完結を目指す2021年ベスト音源。4枚目は昨年CDデビューしたばかりのこちらのバンドのアルバムをご紹介します。バンド文化が死んだと言われて久しい昨今ですが、店主はバンド狂いなので構わずバンドの音源ばかり取り上げます。わかるひとだけ…

【店主的2021年名盤紹介・その3】Siip『Siip』

あけましておめでとうございます。偏好文庫店主・イガラシです。気が付けばもう2月!! 流石にまだ春の気配はわからない……どころかつい最近雪まで降ったわけですが、時の流れは残酷ですね。もう完全に幽霊部員ならぬ幽霊ブログです。 ともあれ今年もこんな感…

【店主的2021年名盤紹介・その2】ビレッジマンズストア『愛とヘイト』

昨日に引き続き2021年リリースの音楽アルバムから好きなやつをピックアップしてレビュー書くやつをやっています。年内の更新はこれでひとまず終了、また年明けから再開します。何故なら今年出たアルバムでまだ回収しきれていないやつがあるからだ!!! 11〜…

【店主的2021年名盤紹介・その1】KEYTALK『ACTION!』

最近更新止まっており申し訳ございません、店主イガラシです。noteの方やお仕事として頂いた書き物は元気にやっているのですが、こちらで出来そうな企画などが見当たらなかったり、やってみたい事はたくさんあれど時間がなかったりするまま年末を迎えてしま…

【2018年4月執筆】ディスクレビュー:Plastic Tree『doorAdore』:明日の朝は海へ行こうか

「adore」と言う単語を、僕は知らなかった。辞書を引くと「敬慕、崇拝」と言う意味らしいが、奇しくも僕にとって誰よりもこの言葉が相応しいロックバンドは、プラスティックトゥリーだ。もう10年近く憧れ続けているプラも、気がつけば去年で結成二十年。二十…

店主イガラシのnoteが更新されました(2021.10.23)

【書いた】いわゆるレトロと言われるものが好きだという話と、夏に行ったビレッジマンズストアとベッド・インの対バンの回顧録のようなものを合わせて煮込んだような文章です レトロスペクティブって難しいけれどクール魅せてくれ、モノホンの“レトロスペク…

店主イガラシのnoteが更新されました(2021.10.16)

【書いた】ライブ芸人(?)のライターが、ミュージシャンの応援のしかた(ないしミュージシャン自身の表現の場)って別にライブにこだわる必要ないよね、という話を夏に観に行った小林私のライブの感想に絡めて書いています 是非! #小林私 #note別にライブじゃ…

【2020年2月執筆】感想文:映画『ヴィニルと烏』:地獄の青春文学と俳優・井口理の“含み”

※この記事は2020年2月に店主イガラシのnoteにて公開された記事に加筆修正を加えたものとなっております。情報は記事執筆時点のものとなっておりますので、何卒ご了承ください。 2019年11月、期間限定上映をしていた際に観賞。監督は若手のホープ、横田光亮氏…

【2018年2月執筆】ディスクレビュー:KEYTALK『ロトカ・ヴォルテラ』:荒野に咲いた“紙一重”

※この記事は2018年2月に店主イガラシのnoteにて公開された記事に加筆修正を加えたものとなっております。情報は記事執筆時点のものとなっておりますので、何卒ご了承ください。 乾いた風の吹きすさぶ荒野、背を向け合う男女。男の手にはナイフが、そして女の…

【2018年2月執筆】ディスクレビュー:GOOD ON THE REEL『光にまみれて』:たとえ光にまみれたとしても

※この記事は2018年2月に店主イガラシのnoteにて公開された記事に加筆修正を加えたものとなっております。情報は記事執筆時点のものとなっておりますので、何卒ご了承ください。 暗い部屋から外に出た瞬間、陽光のあまりの眩しさに目がくらんで何も見えなくな…

【2018年4月執筆】ディスクレビュー:KEYTALK『Rainbow』:虹の彼方へ駆ける方舟

※この記事は2018年4月に店主イガラシのnoteにて公開された記事に加筆修正を加えたものとなっております。情報は記事執筆時点のものとなっておりますので、何卒ご了承ください。 『オズの魔法使い』をご存知だろうか。大して読書家でなくとも、誰もが子供の頃…

【2020年12月執筆】感想文:カツセマサヒコ『明け方の若者たち』:「エモい」を解釈する4つの断章

※この記事は2020年12月に店主イガラシのnoteにて公開された記事に加筆修正を加えたものとなっております。情報は記事執筆時点のものとなっておりますので、何卒ご了承ください。 ■Attention これは今年6月に刊行されたカツセマサヒコ氏による小説『明け方の…

感想文:映画『キャラクター』:創作者の暴力性と死ぬほど可愛いオム・ファタル

■前振り 話題の漫画、『ルックバック』を読んだ。 僕が読んだ時には既に修正後の状態になっていたので、件の各所で盛り上がっている修正前の状態は生憎確認出来なかったのだけれど、それでも濃密で、ペーソスがあって、メッセージも濃くて、切なさと諦めにも…

店主イガラシのnoteが更新されました(2021.8.7)

※お報せが遅くなりましたことお詫び申し上げます。 【書いた】7月25日に行われたDannie Mayの自主企画対バン小林私の感想が炊き上がりましたhttps://t.co/PJ2Fjq6aSe優しい音楽の要塞を作り上げるDannie Mayとギター1本で斬り込む小林、それぞれの闘い方が痛…

僕がソシャゲの楽しさがわからないのは、広告のせいかもしれない

■これまでのあらすじ ロッキン、中止になって残念ですね。どうも、ロックバンドのオタクこと店主です。なんだかディストピアみたいなこの夏、共に乗り越えていきましょう。がんばれにっぽん。以前こちらで以下のような記事を公開したのですが僕がソシャゲに…

ROOTS FACTORYの“あの椅子”と、あの子と過ごした下北沢の午後-(いつか)欲しいもの/欲しかったものリスト①

「(いつか)欲しいもの/欲しかったものリスト」とは……いつか欲しいもの、いつの日か欲しかったものについて書くささやかな半ノンフィクション短編小説シリーズです。 「店、どう?」最近訳あって地元から少し離れた街へ引っ越した友人が、少しだけ僕を見上…

店主イガラシのnoteが更新されました(2021.6.5)

【書いた】先日フォロワーさんにお誘い頂き行ってきた #Tempalay のライブの感想を書きました当日は生憎の雨模様だったのですが、今思えばそれすら舞台装置だったかのように思えます あの日の空気が伝わったら良いなたとえ何処にも行けなくても #note #コン…

見知らぬひとびとがわちゃわちゃしている動画をミリしら状態で観ても果たして癒されるのか

■バンドマンがわちゃわちゃしている姿を観るのは楽しい お久しぶりです。三度の飯よりロックインジャパン、今年既に月イチでライブに行けていて改めてその有難みに打ち震えております。どうも、ロックバンドのオタクです。 突然ですが僕はバンドマンがわちゃ…

パッチリ二重のビレッジマンズストア荒金、リョクシャカと秋山黄色を案じるKEYTALK巨匠、Plastic Tree有村が日没地区でたい焼き捕獲……どっこい生きてる通信(5月16日付)

■荒金祐太朗(ビレッジマンズストア)、誕生日迎えたドラム坂野充に謎の報告「左目だけパッチリ二重に」 5月7日に30歳の誕生日を迎えたビレッジマンズストアの荒金祐太朗(Gt)が、同じく5月に誕生日を迎えたメンバーの坂野充(Dr)へ、坂野の誕生日当日であ…

店主イガラシのnoteが更新されました(2021.5.10)

【書いた】4月18日に行われたビレッジマンズストアの下北沢シャングリラ公演について書いています こちらはコロナ禍におけるライブハウスでのライブの模様という意味でも歴史的価値があるかと思い、心して書きました ご一読をディストピアの灯台守 #note #コ…

店主イガラシのnoteが更新されました(2021.5.5)

【書いた】今年40歳のお誕生日、そしてソロデビューから10周年を迎えられた僕のオム・ファタル、中田裕二さんと椿屋四重奏について、改めて自分なりに考え、書きました 12000字の大長文、純文学にして私小説です昼と夜と黄昏と椿屋四重奏 #中田裕二誕生祭202…