【未公開】2023年注目の新生インディーズバンドにインタビューをしました【期待の新星】
お久しぶりです、管理人イガラシです。
このたび、音楽ライターとしてとあるインディーズバンドにインタビューをさせて頂く機会がありました。
ただ、このインタビューが商業誌には掲載できないことになってしまったので、偏好文庫で私家本として通販で頒布することに致しました。是非より多くの方に手に取って頂き、彼らの才能を知ってもらいたいので、こちらにインタールード文を掲載致します。評論みたいな感じでさらっと読んで頂き、ご興味がありましたら本書を手に取ってもらえたら幸いです。
※本の詳細は文章の最後に掲載しています※
以下、本からの引用です。
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変容のないものなどこの世には存在しないのが常 だが、古くより文化や芸術の発信地として知られる この街でも、昨今大きな変化が訪れている。 下北沢。一昔前には個人経営の古着屋やゲームセンター、近隣住民から親しまれる金物屋や洋品店などが数多く軒を連ねる商店街が駅を中心に四方へと伸びていたが、ここ数年でチェーン展開する店舗が各段に増えた。その代わりに、鉄道会社によって開発された高架下に新進気鋭の個人商店が集まる ようになったが、新しいことを始めようとするひと の行動を大きな資本が後押しするのは、裏を返せば大きな力が後ろ盾に立たない限り、小さな個人を表舞台に立たせ続けることは難しいということなのかと感じてしまう。 そしてまたひとつ、丸腰の小さな個人による新たな時代のうねりが、とてもささやかだが、しかし大きな一歩として動き出していた。
「活動の拠点になっている下北沢の街を歩きなが らインタビューを受けたい」との要望を受け、南口改札前で対面したHAUSNAILSの4人は、拍子抜けするほどに素朴な好青年たちといった印象だった。ストリートやモード系といったファッションに分類されそうな服装に身を包んだ今風の見た目の彼 らだが、顔を合わせるや否や4人揃って、まるでお辞儀の深さを競うかのように深く深くお辞儀をし て挨拶をしてくれたのが印象的だった。
今年××月に初のワンマンライブを控えたロックバンド、HAUSNAILS。2016年の結成以来、1年間の活動休止期間を経て、2020年よりライブ活動や楽曲のリリースを本格化。下北沢を拠点に都内を中心としたライブ活動を精力的に行う彼らの現時点の最高傑作と言っても過言ではないEP が、丁度ワンマン1ヶ月前となる先日リリースされた。タイトルは『Fantasy』。メンバーそれぞれが作詞作曲を担 当した4曲が収録されているという時点で4人の知力体力が尽くされた作品であることは間違いないが、古代中国思想の“四神”をコンセプトとし、楽曲それぞれが青龍、玄武、朱雀、白虎と呼ばれる神獣をテーマに制作されたという、かなりの意欲作だ。 ミクスチャーロックをベースとした作風だがいわゆる“ロックサウンド”の枠にとらわれず、シンセサ イザーの音色の強い打ち込み音源やピアノの旋律、 さらに表現においてもツインボーカルによるハモリやスリリングな掛け合い、若手バンドらしいポップで疾走感のある楽曲から歌謡曲やジャズの影響を感じるアダルティな世界観など、楽曲ごとに新たな要素を呑み込み別の表情を見せる貪欲さには刮目せざるを得ない。(本誌に続く)